小数の割り算が苦手な小4・小5の方、あなたは「小数の割り算って難しい!」と考えているかもしれません。
でも実は…たった2つのコツをおぼえるだけで小数の割り算は出来てしまうのですよ。
この記事では、東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が「小数点の二種類の動かし方」を分かりやすく説明します。
記事を最後まで読んで真似すれば小数の割り算がスラスラ解けるようになりますよ!
4年の予習復習をしたい人は上から順番に、5年の予習復習をしたいは「小数÷小数」から読むと良いでしょう。
下の目次で好きなところをクリックするとジャンプできます。
目次(クリックでジャンプ)
小数÷整数の割り算(小4)
小数÷整数(余り無し)
こんにちは!「そうちゃ」@zky_tutor(プロフィール)です。
まずは、小4で学習する「小数÷整数で余りが出ない」パターンから見ていきます。
普通の割り算とほとんど変わらないので、気楽に始めましょう♪
小数を割る時は◯◯◯を上に移す!
●例題1
まず、小数の無い「117÷9」の筆算を確認します。大丈夫とは思いますが念のため筆算して下さい。(▼をクリック)
こうなって…答えは13ですね。
筆算(1)
9)117
97
127
11÷9で、1余り2
筆算(2)
9)117
97
027
27
00
次に27÷9をして3。
答えは13です。
できました…ね?
小数点がある場合もほとんど同じです!
小数点がある場合「準備」が必要です。それは小数点を真上にも書き写すこと!
筆算準備
9)117
小数点を上にも書き写します
ここから後は、小数点がない場合と同じように割り切れるまで解きます。
筆算(1)
9)117
97
127
27
20
小数点がない場合と
同じように解き、終了♪
答えは小数点を含めて1.3になります。1.3
このように小数÷整数の計算は小数点を上に移せば良いだけです。
分かりましたね?では、類題で練習しましょう!
練習問題で定着!
●類題1-1
まず、割られる数の小数点を上に移して…
筆算(1)「準備」
8)592
小数点を上にも書いて
あとは小数点がない場合と同じように割り切れるまで解きます。
筆算(2)
8)592
562
532
32
00
終了~♪
7.4
●類題1-2
小数点を真上に移してから、解きはじめます。
筆算(1)
14)455
425
435
28
00
小数点を上に移して
解きすすめます♪
下ろす数字が無いように見えますが、45.5の右に0を補って、下におろします
筆算(2)
14)4550
4250
4350
280
070
0を補って下ろす
余りがなくなったら終了です
筆算(3)
14)4550
4250
4350
280
270
70
70
終了~♪
3.25
●類題1-3
出だしに気を付けましょう
まず小数点を上に移して…
筆算(1)「準備」
7)427
小数点を上にも書いて
最初の割り算は42÷7=6で小数点がない場合4の上には何も書きませんでしたが、この問題では小数点があるので「0」を書きます。
(小数点が無い)
7)427
427
4の上に何も書かない
(小数点がある)
7)427
427
4の上に0を立てる
あとは、余りがなくなるまで解くと、商は0.61です。
筆算(3)
7)427
427
427
7
0
終了~♪
0.61
余りがない場合は、これで終了です。
小数÷整数(余りあり)
ここからは「小数÷整数」で余りがある場合です。
どの位までの商を求めるか、問題文の指定をきちんと読みましょう!
解き方を理解♪
●例題2
商は整数で求め、余りも出しなさい。
実際の試験のときには「商は整数で求め」という箇所に鉛筆で線を引くと良いですね!
上に移した小数点まで答えが出たら、割り算をストップします。残った4を下に下ろすと余りが14のように見えますが…14は大きすぎますね。3×27=81なので82.4を割った余りは1.4になるはずでは…
筆算(1)
3)824
624
224
214
214
答えが整数までいったら、
割り算をストップしますが、
14は余りとしては大きすぎます…
割られる数の小数点を真下に降ろさないといけなかったんですね!
筆算(2)
3)824
624
224
214
214
小数点を余りのところまで
下ろさないとダメだった!
27余り1.4
このように小数の割り算では余りのところまで小数点を落ろして下さい。
やり方が分かったら練習してみましょう!
練習問題で定着!
●類題2
__商は整数で出し、余りも求めなさい
(2)76.9÷8 を計算しなさい。
__商は小数点第一位まで求め、余りも出しなさい。
(3)91.7÷42 を計算しなさい。
__商は小数点第二位まで求め、余りも出しなさい。
次は少し変わった答え方をする問題です。
小数÷整数(概数で答える)
解き方を理解♪
まず、概数の決め方を簡単に復習するとこうなります。
復習のつもりでテストしてみましょう
「42.537」の小数第二位を四捨五入しなさい
→( 小数第二位は3なので切り捨てて42.5 )
「42.537」を小数第二位までの概数にする
→( 小数第三位の7を四捨五入して42.54 )
「42.537」を上から3ケタの概数にする
→( 上から4ケタ目の3を四捨五入して42.5 )
概数が「分からない」「忘れた」という人は参考記事「概数のまとめ」を見て下さい。
では例題を試してみましょう
例題3-1
商は小数第一位を四捨五入した概数で求めなさい
小数第一位まで計算します。
7)376
356
426
21
05
小数第一位が「3」なので切り捨てて、答えは5です。
5
例題3-2
商は小数第一位までの概数で求めなさい
小数第一位までの概数→第二位を四捨五入です。
小数第一位までの概数→第二位を四捨五入なので、第二位まで筆算します。
7)3760
3560
4260
210
050
49
01
第二位は「7」なので切り上げて5.4です。
5.4
例題3-3
商は上から3ケタの概数で求めなさい
上から3ケタの概数→上から4ケタを四捨五入
上から3ケタの概数→上から4ケタ目を四捨五入なので、この問題では小数第三位まで答えを出します。
7)37600
35600
42600
2100
0500
490
010
7
03
上から4ケタ目(小数第三位)は「1」なので切り捨てて、答えは5.37です。
5.37
概数で答えを求める問題は以上です。
小数÷整数の文章問題
楽しんで解いて下さい!
●文章問題1-1
分けるので割り算を行います。問題に「余り」の指定もないので割り切れるだろうと予想して筆算を始めます。
まず、4の上に0を書いて小数点を上にも書きます。(図1)
筆算(1)
6)48
8の上に8が立って終了♪(図2)
筆算(2)
6)48
48
40
予想通り割り切れました。0.8L
●文章問題1-2
「AはBの何倍か?」を出すのはA÷Bです。
「AはBの何倍か?」を出すにはA÷Bをするので、計算は34.8÷29です。また「何倍か」聞かれているので余りは出ないだろうと予想して筆算を始めます。
筆算
29)348
298
458
58
00
余り無く割り切れました♪1.2倍
●文章問題1-3
何袋?と聞かれているので割り算の答えは整数です。
何袋?と聞かれているので小数点の手前まで計算して商は18と分かりました。
筆算(1)
32)5805
3205
2605
2565
5.25245
小数点の手前まで計算して
商は18と分かる
割られる数の末尾の5を下ろしたら、小数点も余りまで下ろします。余りは45ではなく4.5です。
筆算(2)
32)5805
3205
2605
2565
5.25245
小数点を下ろして
余りは4.5と分かる
18袋できて4.5g余る
四年生の「小数の割り算」はここまでです。
もっと計算を練習したい人には記事の最後でオススメ教材を紹介しています。
四年生の方には、こちらの記事もオススメです!
→和差算 →分数の種類(帯分数/仮分数) →分数の足し算・引き算
小数÷小数の割り算(小5)
「どうも!小数割(コスワリ)兄弟です♪」
「え?はい?誰ですか?」
ここからが本番!小5で学習する「割る数も小数」の場合です。
上の図のキャラクター「コスワリ兄弟」はこの後に登場します
小数÷小数(余り無し)
やり方を理解
●例題4
いきなり始めないで!
割る前に準備をします!
まず、割る小数「3.1」の小数点を右に1つずらして「31」にします
筆算準備(1)
割る数の小数点を右端まで動かす
次に、割られる小数「8.37」の小数点も同じく右に1つずらして「83.7」にします。(割られる数のもとの小数点は大事なので、青い色で残します)
筆算準備(2)
割られる数の小数点を動かします。
そのまま小数点を上にも移します。これで準備が終了です。
筆算準備終了
31)837
上に移動します。
はじめましょう♪余りがなくなるまで解き進みます。
筆算
31)837
627
217
217
210
終了~♪
2.7
このように、割る数も小数の場合は割る数と割られる数の小数点を同じだけ右に動かすのがポイントです。
(もとの小数点はまだ使いませんでしたが、後で余りを出す時に大事になります)
割る数と割られる数の小数点が同じように動く形を覚えておきましょう。
ここで登場するのが、先程の…
覚えやすいよね?ね?(フィギュアを作りたいです)
気を取り直して…練習してみましょう
( ・`ω・´)
練習問題で定着!
●類題4
(1)5.61÷1.7
(2)4.81÷0.65
<おまけ:整数÷小数のパターン>
(3)4÷0.32
割る前に準備をしましょう(この形です↓)
これで、「小数÷小数で、余りが無い」問題は終了です。
小数÷小数(余りあり)
「小数÷小数で、余りも出す」問題です。
入試や摸試の計算問題で出題されるので、しっかり身につけて下さい!
解き方を理解♪
●例題5
商は小数第一位まで求め、余りも出しなさい
まず,小数点を動かして筆算の準備をします「3.5」は「35」に、「7.5」は「75」に直します。動かした小数点を上に移して準備終了
35)750
上にも移します。
問題文の指示通り、小数第一位まで割ります。
35)750
700
450
35
15
このままだと、余りが15のようにも見えますが、もとの小数点を下に移すと、この15の「1」はもともと小数第一位なのを思い出しますね。
35)750
700
450
35
015
余りが0.15と出たら終了~♪
余りは15ではなく0.15ということです。2.1余り0.15
このように「小数÷小数で余りも出す」場合、答え(商)は動かした小数点を使いますが、余りはもとの小数点を使います
全部で3ステップになります。
練習問題で定着!
●類題5-1
❶筆算準備
小数点を右に1ケタ動かして「1.3」を「13」に、同じ用に「3.3」を「33」に直し小数点を上にも移して筆算の準備が完了です。
13)330
❷割り算
準備が終わったら、指定された小数第一位まで解いてストップ
13)330
260
470
65
05
❸余りを確定
もとの小数点を下に降ろすと、余りは5ではなく0.05と分かります。
13)330
260
470
65
005
余りが0.15と出たら終了~♪
2.5余り0.05
●類題5-2
❶筆算準備
割る数(0.24)が整数(24)になるように小数点を右に2ケタ動かし、割られる数(1.731)も同じ用に小数点を2ケタ右に動かし上にも移します。
024)1731
❷割り算
準備ができたら小数第一位まで解いて、余りを出します。
024)1731
1680
0051
48
03
❸余り
もとの小数点を下に降ろすと余りは0.3ではなく、0.003と分かります。
024)1731
1680
0051
48
0003
余りが0.03と出たら終了~♪
7.2余り0.003
●類題5-3
100に小数点が見えませんが「100.0」と考えれば良いですね。
❶筆算準備
100に小数点が見えませんが「100.0」と考え、小数点を右に1ケタ動かし上にも移して筆算の準備が完了。
21)10000
❷割り算
準備ができたら小数第一位まで割ります
21)10000
8400
1600
1470
0130
126
004
❸余りを確定
もとの小数点を降ろすと余りは0.4ではなく、0.04と分かります。
21)10000
8400
1600
1470
0130
126
004
余りが0.04と出たら終了~♪
47.6余り0.04
次は少し違う答え方をする場合です。4年で学習した「概数(およその数)」を使います。
小数÷小数(概数で答える)
例えば「12.3456」を小数第二位で四捨五入して「12.3」にしたりします。
解き方を理解♪
概数の決め方を簡単に復習するとこうなります。
「概数が分からない」忘れた」という人は参考記事「概数のまとめ」を見て下さい。
例題6-1
商は小数第一位を四捨五入して概数で求めなさい
商を小数第一位まで求めましょう。
小数点を1ケタ動かして割り算の準備をします。
筆算準備
18)246
小数点を1ケタずつ左に動かして、
上にも移しておきます
商が小数第一位まで「1.3」と出たのでストップ
筆算(1)
18)246
186
466
54
12
割り算終了
小数第一位が「3」なので切り捨てて1が答えです。
1
例題6-2
商は小数第一位までの概数で求めなさい
小数第一位までの概数→第二位を四捨五入
小数第一位までの概数→第二位を四捨五入なので、商を小数第二位まで求めましょう。
割り算の準備をします。
筆算準備
18)246
小数点を1ケタずつ左に動かして、
上にも移しておきます
商が2ケタ出た後は0を補って下におろします。
筆算(1)
18)2460
1860
4660
540
120
0を補って下ろしてくる
3ケタの商が「1.36」と出ました。余りが残っていますが計算をストップします。
筆算終了(2)
18)2460
1860
4660
540
120
108
012
ここで割り算は終了
余りは聞かれていないので無視!
「1.36」の上から3ケタ目は「6」なので切り上げて、1.4が答えです。
1.4
例題6-3
商は四捨五入して上から3ケタの概数で求めなさい
上から3ケタの概数で求める→上から4ケタ目を四捨五入します
「上から2ケタの概数で求める」場合は上から3ケタを四捨五入するので、まず商を4ケタ目まで求めましょう。
割り算の準備をします。
筆算準備
18)246
小数点を1ケタずつ左に動かして、
上にも移しておきます
0をどんどん下ろして、4ケタ目までの商が「1.366」と出ました。余りが残っていますが計算をストップします。
筆算終了(2)
18)24600
18600
46600
5400
1200
1080
0120
108
012
ここで割り算は終了
余りは聞かれていないので無視!
「1.366」の上から3ケタ目は「6」なので切り上げて、1.37が答えです。
1.37
これで小数÷小数の計算は終了です。最後は文章問題です。楽しみながら解いて下さい。
小数÷小数の文章問題
●文章問題2-1
DさんがCさんの何倍かを出す計算はD÷Cです。
DさんがCさんの何倍かを出す計算はD÷Cなので、27.6÷34.5の割り算を計算します。
まず小数点を動かして割る準備をします。
準備終了
345)2760
276が345より小さいので、小数点の左に0を立てて、276の右に0を補います。
筆算
345)2760
小数点の左に0
ちょっと面倒くさいですが0.8と出ました。
筆算終了
345)2760
2760
0000
終了です♪
0.8倍
●文章問題2-2
「何袋」と聞かれているので、商は整数まで出せば良いと分かります。
「何袋」と聞かれているので、「850.5÷20.3」を整数まで商を出せば良いと分かります。
準備をして
準備
203)85050
商が41と出たら割り算をストップします。
筆算
203)85050
81200
43850
2030
1820
ここで割り算は終了
もとの小数点を余りまで下ろすと、余りは18.2gと分かります。
余りの処理
203)85050
81200
43850
2030
1820
もとの小数点を下ろします
41袋できて、18.2g余る
●文章問題2-3
「8は□の2倍です。□はいくつですか?」という問題を解くには「8÷2」という計算をすれば良いですね。
「4.5mは□の2.5倍です。□はいくつですか?」という問題で同じ形の計算を作ると「4.5÷2.5」になるので、この割り算を計算します。
準備して
筆算準備
25)450
解くと…商は1.8と分かりました。
筆算終了
25)450
250
200
200
000
終了です
1.8m
●文章問題2-4
「5個で100円のアメの1個の値段は何円ですか?」という問題を解くのと同じ形の計算をすれば答えが出ます。
「5個で100円のアメの1個の値段は何円ですか?」という問題を解くのには「100÷5」という計算をすれば良いですね。
「60.2cmで150.5gのチェーン」という問題で同じ形の計算を作ると「150.5÷60.2」になるので、この割り算を計算します。余りは出ないと予想できます。
まず準備をして
筆算準備
602)15050
解くと2.5と分かりました。
筆算終了
602)15050
12047
03010
3010
0000
なんとか終了
2.5g
まとめ/オススメ教材
「分かりやすい!」と評判のスタディサプリなら有名講師の尾崎正彦先生や加固希支男先生による小数の割り算動画もありますよ♪
今なら14日間無料♪この期間内に利用を停止すれば料金は一切かかりません。この機会に試してみては?
歴史を学習する小学生の保護者の方へ
年表,年号,地図,書き取りテストなど400枚のプリントがセットになったそうちゃ式オリジナル教材が8/25(日)までお買い得価格!興味がある方はコチラへ
2023年度生徒さん募集
2023年度の生徒さんの募集を開始しました(対面授業の一次募集)
東武野田線・伊勢崎線沿線にお住まいの新5年生で予習シリーズをベースにされている方が対象です。
詳しくはコチラのページを御覧下さい
新4年生の方を対象に学習相談/授業を実施します(2次募集はサピックス新越谷校・南浦和校の方のみ対象。締め切り1/27)。応募はコチラから
中学受験でお悩みの方へ
「中学受験と高校受験とどちらがいいの?」「塾の選び方は?」「4年次・5年次はどう勉強すればよい?」「志望校の過去問が出来ない…」など
様々なお悩みへのアドバイスをまとめたので参考にして下さい。
もしかしたら、自分だけで悩んでいると煮詰まってしまい、事態が改善できないかもしれません。講師経験20年の「そうちゃ」に相談してみませんか?対面/オンラインの学習相談を受け付けているので、ご利用下さい。