「『ちがいに目をつけて』の解き方が分からない・忘れた」「3つの数の問題を解きたい」「線分図の書き方を知りたい」という小学4年生の方、まかせて下さい!
東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が「線分図の書き方」「3つの数の和差算」までを分かりやすく図解します。
読み終えれば線分図も上手に書けて「楽しく」解けるようになっていますよ!
お知らせ
記事に誤りがあったので修正いたしました(三量の和差算の練習問題)。混乱した方、大変申し訳ございませんでした。
(大崎様にご指摘いただきました。ありがとうございました)
目次(クリックでジャンプ)
「ちがいにめをつけて」の基本
こんにちは!「そうちゃ」@zky_tutor(プロフィール)です。
小4の教科書で登場する「ちがいに目をつけて」は、こういう問題です。
大小2つの数があり、大と小の合計は44で、大は小より6大きい。大と小はそれぞれいくつか?
解き方(線分図の書き方)を理解♪
「まず解いている所を見たい!」人は下のスライダーを使って下さい。画像の右端をクリックすると進みます。
(右端クリックで進みます)
このやり方で、例題を実際に解いてみましょう。
●例題1
❶大小2本の線分図を書く
「大」と「小」の線分図を縦に並べて書き、問題文に書いてある2つの数字、和(合計)と差を書き入れましょう
差の書き方は色々ありますが、私の生徒には短い線分の右端から長い線分に点線を引き、長い線分のそばに「差」を書くように指導しています。
❷小の長さに切りそろえる
「大」のはみ出ている部分(差ですね)をチョキンと切り落とします。すると合計が「差」の分だけ減って和44-差6=38になります
ここでも短い方に合わせる(切る)やり方と長い方に合わせる(埋める)やり方がありますが、「チョキン」と切るのが気持ち良いのでwはじめは短い方に合わせるやり方で指導しています。
❸÷2して小を求める
切りそろえると「小」2つで38なので「小」1つは38÷2=19 と分かります。
❹大を求める
「大」は19+6=25 と分かります。または44-19=25 と出しても構いません。
大25,小19
これで解法の説明は終了です。まとめるとこうなります。
- 線分図を書く
- 「小」に切りそろえる(和-差)
- (和-差)÷2で「小」を求める
- 「小」+差で「大」を求める
練習問題で身につけましょう!
練習で身につける!
●類題1-1
❶線分図を書く→❷小に切りそろえる(和から差を引く)→❸÷2で小を求める→❹+差で大を求める です。
❶線分図を書く
❷短いAに切りそろえると、Aが2つで和41-差19=22。
❸Aが1つで22÷2=11。
❹Bは11+19=30
答: A11,B30
もう一問どうぞ
●類題1-2
短いBに切りそろえると、Bが2つで和101-差3=98。Bが1つで98÷2=49。Aは49+3=52
答: A52,B49
和差算の問題の解き方は分かりましたね?次は文章問題の解き方です。
和差算の文章題
練習問題
●文章題1-1
同じように解いて下さい。
オレンジの方がレモンより多く、和が12で差が2です。
切りそろえてレモン線2本で12-2=10。
レモン線1本は10÷2=5。オレンジの線は5+2=7 で7個と分かります。
答: オレンジ7個
(別解)
「多い方を出す」と分かったら、多い方に合わせて差の部分を「埋める」解法を使ってもよいですね。
「埋める」場合は和に差を足して2で割ると大を求められます。
この問題の場合、オレンジ線2本で和12+差2=14、オレンジ線1本で14÷2=7 になります。
●文章題1-2
次は少し難しいかも…気楽にチャレンジして下さい!
●文章題1-3
8個ではありませんよ!
始めは半分ずつ分けたので、Bさんは30÷2=15個 持っていたことになります。
Bさんと妹の個数の和が30、差が8(Bさんが少ない)なので、少ないBさんは(和30-差8)÷2=11個。
Bさんは、始め15個で11個に減ったので
したがって、Bさんが妹にあげたのは15-11=4個と分かります。
答: 4個
他の分野との融合問題
次からは、他の分野の知識を使う文章題です。
三角形と和差算
三角形の内側の角度(内角)の合計は◆◆◆°で直角は●●°というのを利用します。
長方形と和差算
長方形の周りの長さ=(縦の長さ+横の長さ)×2 を利用します。
年齢と和差算
親子の年齢「差」は増えるでしょうか?減るでしょうか?
ここまで出来れば「普通の」和差算は大丈夫でしょう!
次は「3つの数の和差算」です。
3つの数の和差算
「3つの数の和差算」(「三和差算」と命名)は3つの数の合計(和)と「差」が2つ示されている、こういう問題です。
合計が29になる大中小3つの数がある。中は小より4大きく、大は小より10大きい。大中小はそれぞれいくつか?
解き方(線分図の書き方)
まず解法を見たい人は下のスライダーを御覧下さい。
(右端クリックか左にスワイプ)
このやり方で、例題を実際に解いてみましょう。
●例題2
2つの数の時よりも線分図を丁寧に書いて「一番小さい数と他の2数との差」を求めましょう。
❶中小大3本の線分図を書く
問題をよく読んで、3つの数の大きさの順序を考えます。(例題では分かりやすいように「大」「中」「小」としてあります)
線分図は「小」を真ん中にして「中」「小」「大」の順に書き、2つの数の時と同じように合計(和)を付け加えます
さらに問題文の「差」の数字を書き込みます。
その時「小と中の差」「小と大の差」「中と大の差」を書き込む場所は図のように決めておきます。
上の図で青が2つとも分かれば切りそろえることが出来ますが、緑と青1つしか書いていない時はもう一つの青を自分で計算しないといけません。
例題の場合は青が2つとも書いてあるのでこうなります。
❷小に切りそろえる
2つの数の和差算と違って、切り取るべき差がすぐには分からないことがあります。ここが難しいポイントです。
図をよく観察して「小」と他の2数との差を求めましょう。
「小」と他の2数との差が分かったら「小」の長さに切りそろえます。例題では問題文に「小と中の差が4」「小と大の差が10」とそのまま書いてあったので、4と10を切り取ります。
切り取った分だけ合計が減って、29-(4+10)=15 になります。
❸÷3で小を求める
切りそろえると「小」3本になっているので、「小」は減った合計15÷3=5と分かります。
❹中と大を求める
「小」にそれぞれの差を足して「中」と「小」も求めます。
中=5+4=9、大=5+10=15 と分かります。
大15,中9,小5
これで解法の説明は終了です。ポイントは「小」と他の2数との差を求めることでした。
- 「中」「小」「大」三本の線分図を書き、中小の差1と大小の差2を求める。
- 「小」に切りそろえる。
- (和-差1-差2)÷3で「小」を求める
- 「小」+差1,+差2で「中」と「大」を求める
では、練習をどうぞ。
練習問題で定着!
2:三量の和差算
ヒント
まずABCのうち一番小さいのはどれかを考え、それを真ん中にして線分図を書きましょう。
解説
❶中小大3本の線分図を書く
問題をよく読んで、小さい順にA<C<B と理解します。
一番小さいAを真ん中にして、上からC,A,Bの順に線分図を書きます(C,A,Bでも良いです)。
和103、AとBの差25とCとAの差21を指定場所に書き込みます。
❷小に切りそろえる
図をよく観察して「小」と他の2数との差を求めましょう。
この問題の場合は一番小さいAとBCの差が問題にかいてありました(ラッキー)
そのままBとCをAの長さに切りそろえると、切り取った分だけ合計が減って、103-(25+21)=57 になります。
❸÷3で小を求める
切りそろえるとA3本になっているので、
Aは減った合計57÷3=19と分かります。
❹中と大を求める
Aにそれぞれの差を足してBCを求めます。
B=19+25=44、C=19+21=40 になります。
ヒント
一番小さい数と他の2数との差を出しましょう。
解説
❶中小大3本の線分図を書く
問題文より、小さい順にC<A<Bと分かったら、一番小さいCを真ん中にした線分図を書き、問題文の数字を書き入れます。
((図))
❷小に切りそろえる
一番小さい数Cと他の2数との差が書いてあるか見てみると、CとBの差が書いてありませんでした…
そこで図をよく見ると、CとBの差は10+12=22と分かります。
一番小さい数と残りの2数との差が分かったので、あとはCの大きさに切りそろえます。
すると合計は95-(10+22)=63 に減ります。
❸÷3で小を求める
切りそろえるとC3本になっているので、
Cは減った合計63÷3=21と分かります。
❹中と大を求める
Cにそれぞれの差を足してABを求めます。
A=21+10=31,B=21+22=43と分かります。
ヒント
一番小さい数と他の2数との差を出しましょう。
解説
❶中小大3本の線分図を書く
問題文より、小さい順にB<C<Aと分かったら、一番小さいBを真ん中にした線分図を書き、問題文の数字を書き入れます。
❷小に切りそろえる
一番小さい数Bと他の2数との差が書いてあるか見てみると、BとCの差が書いてありませんでしたが…図をよく見ると、CとBの差は34-22=12と分かります。
一番小さい数と残りの2数との差が分かったので、あとはBの大きさに切りそろえます。
合計は100-(34+12)=54 に減ります。
❸÷3で小を求める
切りそろえるとB3本になっているので、Bは減った合計54÷3=18と分かります。
❹中と大を求める
Bにそれぞれの差を足してACを求めます。
A=18+34=52,C=18+12=30と分かります。
おみやげ(プリント)とお礼
和差算の基本問題をプリントにしました。三種類あります。問題と数値のバリエーションで全32枚あります。サンプルをご確認の上、リンクをクリックして下さい(PDFファイルになっています。)