小学5年生】割合の簡単な求め方は?「くもわ」公式より分かりやすい出し方【無料プリント

割合の記事一覧

●割合の求め方(この記事)

割合の単位(%,歩合)

割合と帯グラフ・円グラフ(作成中)

割合の文章問題

●(中学受験)相当算・還元算

●(中学受験)売買計算

●(中学受験)食塩水

「割合が分からない…」という小学生の方は教科書の「割合の三公式」等をがんばって覚えよう使おうと思っていませんか?そういう勉強方法は「割合」を余計に難しくしてしまいます!

実は教科書の「割合」は難しく説明しすぎているのです。もっとシンプルに「割合=かけ算」と考えれば簡単になるんですよ!

この記事では、東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が分かりやすい考え方と図の書き方を使った問題の解き方を教えます。

記事を読んで真似するだけで割合はもう大丈夫。「何だ…それでいいの?」と拍子抜けするでしょう。

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「割合の単位」は個別記事があるので、こちらにはまとめのみ載せる

要するに、
割合=「○倍」です

爽茶そうちゃ

こんにちは!「そうちゃ」@zky_tutor(プロフィール)です。

割合は難しくありません!
実際、皆さん普段から使っていますよ。

割合は難しくない!

思いっきり簡単にして言うと「割合」とは、あるモノが別のモノの「何倍」かを表した数です。

普段から使っている「2倍」「半分」という言葉をつかっていませんか?

これらは全部「割合」です。

割合の意味

→あるモノが別のモノの「何倍」かを表した数

「半分」なら「0.5倍」というのが割合になります。

つまり「割合」と言っても小2で習った「かけ算」とあまり変わらないのです。難しく考えるのはやめましょう!

「くもわ」より「●●図」!

まず「図」を書く

問題文からいきなり「式」を作るのは難しいので「簡単な図」を書いて「式」を立てますが、学校で習う「くもわ図」は…分かりづらい!!(「く」って何?「も」って何?)

「くもわ」ってコレ↑を連想してしまうよね?w

そこで、当ブログでは簡単で使いやすい「矢印図」をオススメします。

かけ算の図から

さっき言った通り「割合はかけ算と同じ」なので、まず「かけ算」の図をかいてみましょう。

例えば「妹は鉛筆を3本持っていて姉は妹の4倍持っている。姉は何本持っているか?」だと、こういう図になります。

かけ算の文章題の図(絵)

矢印図の先祖になる実体的な図

「妹が3本の鉛筆を持っていて
姉は妹の4倍を持っている」

この絵を文字に変えるとこうなります。

絵を字にすると矢印図:

「妹が3本の鉛筆を持っていて
姉は妹の4倍を持っている」

これが矢印図です。同じ書き方で「2の3倍は6」という割合の文を書くと、こうなります。

割合の「矢印図」

分かりやすい割合の図の例

矢印の方向に「2×3=6」と読める

矢印の方向に沿って文字を追っていくと「2×3は6(つまり、2の3倍は6)」と読めるのが特長です。

三つの数

矢印図には「2」「3」「6」三つの数が書いてあります。分かりやすいように、それぞれに名前を付けます。

  • 「2」は矢印の根本にあるので「元(もと)の数」
  • 「6」は矢印の先にあるので「先(さき)の数」
  • 「3」は矢印についているので「矢の数」とします。「割合」は矢の数のことです。
矢印図(236図)の数字の名前:

「矢の数」が割合です

この「2×3=6の矢印図(236の図)」を覚えるだけで「割合」の問題を解くのは本当に簡単になりますよ!

矢印図を書いてみる

せっかく矢印図を紹介したので「矢印図」を作る練習をしてみましょう

●例題1-(1)
「5を4倍すると20」を矢印図にしてみましょう。
図解

まず、数字が入るスペースは空っぽのまま「矢印図」を書いてしまいます。

矢印図の準備:

数字が入る場所は空のままでOK

この3つのスペースに「5」「4」「20」を入れれば完成です。

まず「4」は「倍」がついているので「矢の数」と分かります。

矢の数だけを入れる

x4なので矢の数と分かります。

次に「5」と「20」を矢印の向きに「5を4倍すると20」と読めるようにスペースに入れると、こうなりますね?

完成した「矢印図」

左から「5×4=20」と読める

要するに、「5×4=20」という式が出来る時に、矢印の方向に「5(もとの数)」「4(矢の数)」「20(さきの数)」の順に並べれば良いのです。簡単でしょう?

「矢印図」の意味

→3つの数が「A×B=C」の関係にある時に、
矢印の向きに沿って「A」「B」「C」を並べた図

矢印図の例

「2×3=6」を意味する

もう一問練習しましょう♪

●例題1-(2)
「15は3の5倍」を矢印図にしましょう
ヒント

例1と日本語が少し違いますが、例1「2の3倍は6」と同じような日本語にすると「3の5倍は15」ですね。あとは例1と同じです。

図解

「3を5倍すると15」なので「3×5=15」です。この順番に矢印にそって並べるとこうなります。

完成した矢印図

もしかしたら反対に入れてしまった人もいるかもしれませんが

図をもう一度見て「あれ?変だな」と気づくことができれば全く問題ありません!正しく書き直して下さい。

もう慣れたのではないでしょうか?次は整数以外を使います♪

●例題1-(3)
「7は14の半分」を矢印図にしましょう。
ヒント

「●倍」という日本語がありません…が「半分」は0.5倍という意味なので「×0.5」と同じです。

図解

よくやるミスはこうです。まあ、今日はじめて教わったんだからしょうがないです。ドンマイドンマイ

よくやる間違い

つい「小→大」にしてしまいます

今までは「もとの数」が小さく「さきの数」が大きい図、つまり「小→大」という図ばかりでしたが、そうとは限りません。

「小→大」

割合(矢の数)が1より大きい
「大→小」

割合が1より小さい

問題文「7は14の半分」を最初の「2の3倍は6」と同じような順番にすると「14の0.5倍は7」で、これを式にすると「14×0.5=7」です。

つまり数字を「14」「0.5」「7」の順に並べればOKです。
1より小さい数をかける時は矢印図が「大→小」になります。

こっちが、正しい図

12倍なので「大→小」になります

元の数と先の数の大小をまとめると、こうなります。

「元」と「先」の大小

①矢の数(割合)が1より大きい
→「小→大」になる

②矢の数(割合)が1より小さい
→「大→小」になる

爽茶そうちゃ

これで「矢印図」の書き方は分かったと思います。

「矢の数」は小数にもなるので、小数の計算が苦手な人は復習しておきましょう!! →小数のまとめ

次は矢印図を使って問題を解いてみましょう!

割合の基礎問題(小5)

爽茶そうちゃ
割合に関する文章を「矢印図」にできれば、割合の基礎問題は解くことができてしまいます♪
さっそく問題を解いてみましょう!

三つの数の関係

割合の問題は、三つの数のうち分からない一つの数を、分かっている二つの数の計算から出す「クイズ」のようなものです!(いやマジで)

そこで「2×3=6の矢印図」を使って、分からない数「?」を分かっている残りの2つの数で計算式を作って出す練習をしてみます。

●例題2-(1)
「?」を2と3から求めるには、どういう計算式を作れば良い?
図解

これは一番簡単なパターンですね。矢印の順番に読むと2×3=「?」で「?」=6ですね。

?=2×3

つまり

「先の数」=「もとの数」×「矢の数」

ということです。

二番目は「ほんのちょっと」頭を使います。

●例題2-(2)
「?」を2と6から求めるには、どういう計算式を作ればよい?
ヒント

真ん中(矢の数)が分からない場合です。

ここでは答えは分かっている(?=3)ので、6と2でどういう計算式を作れば3が出るかを考えます。

矢の数は3

真ん中の3を2と6から
どうやって求めれば良い?
図解

「割合はかけ算」ですが、2と6のかけ算では3は出ません…

ところで「割合」という字を見ると…

という字が入っていますね!

そこで2と6の割り算を考えてみると、6÷2で3が出ますね♪

?=6÷2

つまり

「矢の数」=「さきの数」÷「もとの数」

ということですね!

最後は「矢印図」をバージョンアップします!

●例題2-(3)
「?」を3と6から求めるには、どういう計算式を作れば良い?
ヒント

このタイプが一番面倒くさいです…が、ある工夫をすればパッと分かります♪

図解
「?」が矢印の向きと反対方向にあって、分かりづらいですね。そこで…
このままだと分かりづらいので…

「反対向きの矢印」を書きましょう!

反対向きの矢印を書く!

反対向きの矢印は、計算も逆になる

この矢印は反対向きなので「矢の数」もかけ算と逆の割り算になります。これが矢印図のバージョンアップ!完成形です。

この反対向きの矢に沿って数を読むと「6÷3=?」となり、?=2と分かります

?=6÷3

これで

「もとの数」=「さきの数」÷「矢の数」

で出せると分かりました。

以上で、矢印図の三つの数の関係が分かりました。まとめると下のようになります。

割合の公式(矢印図)

●矢印図
3つの数が「A×B=C」の関係にある時
矢印の向きに沿ってA,B,Cを並べた図
「B(矢の数)」が割合を示している

(例)「2×3=6」の矢印図
基本形
「2×3=6」
「2の3倍は6」
「6は2の3倍」
発展形

分かりやすい割合の図「矢印図」の発展形

逆向きの矢印を付ける

●矢印図による割合の公式
さきの数(6)=もとの数(2)×矢の数(3)
矢の数(3)=さきの数(6)÷もとの数(2)
もとの数(2)=さきの数(6)÷矢の数(3)

発展形(逆向きの矢印)を書けば➊さきの数と➌もとの数は簡単に分かりますね。

矢の数=さきの数(6)÷もとの数(2)だけは覚えても良いですが、実は覚えなくても平気です♪(理由は、この後分かります)

問題の解き方

では、問題を解いてみます。気楽にやってみましょう♪

●例題3-(1)
14の7倍はいくつですか?
図解

これは簡単ですね。聞かれている数を「?」とすると「14の7倍は?になる」で「14×7=?」なのでかけ算をして98と分かりますね。

98

図にするとこうなりますが、図を書く前に分かる人が多いでしょう。

矢印の向きに計算すれば答え

次も簡単かもしれませんね。

●例題3-(2)
□は23の4倍である。□にあてはまる数を答えなさい。
図解

問題文を「2の3倍は6」と同じ形「23の4倍は□」に直せば簡単ですね。23×4=□なので□は92と分かります。

92

図にするとこうなります。

矢印の向きに計算するだけ

ここから少し考えましょう。

●例題3-(3)
18は90の何倍ですか?
ヒント

反射的に「90÷18=5」とやってはいけませんよ!

図解

なれるまでは、まず図を考えましょう。18と90を左右どちらにするかで、2通りの図が考えられますが…どちらの図が正しいでしょうか?

図1:

正しい図はどちらでしょう?

問題文「18は90の何倍か」を「2の3倍は6」と同じ形にすると「90の?倍は18」「90×?=18」になるので…正しいのはこちらです。

正しい図はこう

次に?(矢の数ですね)を出しますが、公式を思いつかなくても大丈夫です!となりに「2×3=6」を書いて比べてみます。

となりの「2×3=6」を見れば計算が分かる

「2×3=6」を見れば、「矢の数3」は「先の数6」÷「元の数2」で出ると分かります。同じことをやれば良いので、?は18÷90で出せば良いと分かります。

となりと同じ計算をすれば良い

あとは落ち着いて18÷90を筆算して0.2と分かります。

0.2

このように、割合の問題でパッと答えが出ない場合は問題の矢印図と「2×3=6」の矢印図を並べて書いてみましょう。自然と計算方法が分かると思います。

公式を暗記するよりも、このやり方を勧めます。

割合の計算方法が分からない時

横に「2×3=6」の矢印図を書いて、
それを見ながら計算方法を考える

ところで、生徒さんが間違った図を書いてしまうのは、割合に慣れていないからだけではありません。

「『小÷大』という計算、つまり小数が答えになる割り算をしたくない…」というのが理由のことが多いのです。

そうならないように、小数の計算を練習させて苦手意識をなくしておくのが大切です。小数のまとめ

次は…想像できますね?

●例題3-(4)
25倍して200になる数を求めよ。
ヒント

いつものように、文を「2×3=6」の形にするところからスタートです。

図解

聞かれている数を「?」にすると「?×25=200」という式が作れるので、図にするとこうなります。

「?×25=200」の矢印図

「もとの数」を出すには、逆向きの矢印を書くとわかりやすかったですね!

逆向きの矢印は割り算になる

これで?は200÷25で8と分かります。

8

または、となりに「236」の矢印図を書いて、2=6÷3 と同じ計算をする、でも良いですね。

となりに「236」の図を書くと

元の数=先の数÷矢の数と分かります。

ここからは、もう少し「割合の問題」っぽくなりますが、同じ様に解けば大丈夫!

●例題3-(6)
90は□の0.6にあたる。□はいくつですか?
ヒント

間違えても良いので、とりあえず矢印図を書いてみましょう。

図解

「~にあたる」というのは「~倍」と同じ意味です。ですから「90は□の0.6にあたる」は「90は□の0.6倍」と同じ意味です。

これをいつもと同じ形に直すと「□の0.6倍は90」「□×0.6=90」になるので、矢印図も書けますね。

ここでは反対向きの矢印を書いた

□は元の数なので90÷0.6=150

150

●例題3-(7)
20をもとにしたとき、6の割合はいくつか?
前置き
とりあえず矢印図を書いてみましょう!
図解

「もとにしたとき」の意味がよく分かりませんが…とりあえず矢印図を書きます。

分からない時こそ図を書く

そして問題文の数のうち割合を聞かれているので「矢の数」が「?」で、「20人」は「もと」と言われているので矢印図でも「元の数」になるので、「6」は残った「先の数」と考えて図を書くとこうなります

見慣れた図ですね

「矢の数」を出すので、公式を覚えていればもちろん、覚えていなくても「236の図」を横に書けば「矢=先÷元」と分かります。

「236」の矢印図と並べて式を立てる

あとは6÷20を計算して0.3が答えと分かります。

0.3

このように「もとにする」と書いてある場合は、「もとにする」数を矢印図の「元の数」だと考えれば良いのです。名前も似ているし、分かりますね?

これで割合の基礎は大丈夫です!

確認テストで定着

確認テスト(タッチで解答表示)

□は31の6倍である。□はいくつですか?
(   □=31×6=186 )

143は12の何倍ですか?
→( ?=143÷13=11 )

12は84の何倍ですか?
→( ?=12÷84=1284=17 )

19倍して285になる数を求めよ
→( 285÷19=15 )

21は□の0.7にあたる。□はいくつか
→(  □=21÷0.7=30 )

29をもとにしたとき87の割合はいくつか
→( 29が元の数になる。?=87÷29=3倍 )

36をもとにしたとき27の割合はいくつか
→( ?=27÷36=0.75倍 )

爽茶そうちゃ
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無断引用・配布はご遠慮下さい

割合の単位(小5)

爽茶そうちゃ

ここまで割合を表すのに「○倍」という表現だけを使っていましたが、日常生活では「%(パーセント)」や「割(わり)」を使います。
「100%大丈夫!」とか「バーゲンセールで2割引きで買った♪」などです。

パーセント(百分率)

パーセントのイメージ:

100匹に分裂したうちの1匹が1%

パーセントは「全体を100等分したうちの何個か」です(だから「百」「分」率)

パーセント(%)(百分率)の意味

→あるものを100等分したうちのいくつか

「1%」→あるものを100等分したうちの一つ
「100%」→あるもの全体(×1と同じ)

「%」を「~倍」に直す

パーセントの数字は割合を表すが、そのままでは「矢の数」として計算には使えません。

100で割って小数にするか、100を分母にした分数(約分してもよい)にする必要があります。

「~%」から「~倍」(その2)

%」の分母に100をつける

「100%」→「×100100-(約分)→「×1」

「200%」→「×200100-(約分)→「×2」

「50%」→「×50100-(約分)→「×12
「50%」→「×50100-(または)→「×0.5」

「25%」→「×25100-(約分)→「×14
「25%」→「×25100-(または)→「×0.25」

「6%」→「×6100-(約分)→「×350
「25%」→「×25100-(または)→「×0.06」

%」が小数なら分母に1000や10000を

「12.5%」→「×1251000-(約分)→「×18
「25%」→「×25100-(または)→「×0.125」

パーセントについて詳しく知りたい・問題を解きたい人は関連記事「割合の単位」を見て下さい

歩合(「割」「分」「厘」)

パーセントは外国で生まれた単位ですが、日本で使われてきた単位が「歩合」で「」「」「」の3種類があります。

このままでは計算に使えず、小数や分数の「~倍」に直さないといけません。

まず%に直して、それから~倍に直すのがラクです。

歩合を%と~倍(小数・分数)に

●基本ルール
1割=10%=10100=×0.1
1=1%=1100=×0.01
1りん=0.1%=101000=×0.01

(例)

4厘3分2割=.420%=20100=×0.2
4厘2割3分.423%=23100=×0.23
2割3分4厘23.4%=2341000=×0.234

歩合について詳しく知りたい・問題を解きたい人は関連記事「割合の単位」を見て下さい

「増し」と「引き」

「~%増し」とか「~%引き」と聞いたことはありますね(消費税は10%など)

「増し」=もとの数より大きくなる

もとの大きさ(100%や10割)に加えます。「20%増し」なら「100%+20%」で「120%」つまり「×1.2」になります。

「増し」の意味

もとの数(100%、10割)に加える

(例)10%増し
=100%+10%=110%=もとの数×1.1

(例)3割増し
=(10割+3割=13割=もとの数×1.3
または=30%増し=130%=もとの数×1.3

(例)3割2分増し
=32%増し=(100+32)%=132%=×1.32

もとの数より大きくなるので「~倍」に直すと、必ず1より大きい数になります。

「引き」=もとの数より小さくなる

もとの大きさ(100%や10割)から引きます。「20%引き」なら「100%-20%」で「80%」つまり「×0.8」になります。

「引き」の意味

もとの数(100%、10割)から引く

(例)10%引き
=100%ー10%=90%=×0.9

(例)3割引き
=10割-3割=7割=×0.7
または=30%引き=70%=×0.7

(例)3割2分引き
=32%引き=100%ー32%=68%=×0.68

もとの大きさより小さくなるので「~倍」に直すと、必ず1より小さい数になります。

「増し」「引き」について詳しく知りたい・問題を解きたい人は関連記事「割合の単位」を見て下さい。

割合の三公式の問題

爽茶そうちゃ
ここでは学校で習う「割合の三公式」の説明をしますが…実は、式の作り方は記事の上の方にある「割合の基礎問題(矢印図)」で全部説明してしまいました。
ですから「矢印図」が分かっている人はスラスラ出来る?でしょう

「矢印図」から「割合の三公式」へ

矢印図はこうでした♪(忘れた人・知らない人は記事の上の方にある「割合の基礎問題」(矢印図)を読んで下さい)

割合の公式(矢印図)

●矢印図
3つの数が「A×B=C」の関係にある時
矢印の向きに沿ってA,B,Cを並べた図

(例)「2×3=6」の矢印図
基本形
「2×3=6」
「2の3倍は6」
「6は2の3倍」
発展形

分かりやすい割合の図「矢印図」の発展形

逆向きの矢印を付ける

●矢印図による割合の公式
さきの数(6)=もとの数(2)×矢の数(3)
矢の数(3)=さきの数(6)÷もとの数(2)
もとの数(2)=さきの数(6)÷矢の数(3)

そして、学校などで習う「割合の三公式」はこちら

割合の三公式

➊割合=くらべる量÷もとにする量

❷くらべる量=もとにする量×割合

➌もとにする量=くらべる量÷割合

よく見ると…似ていませんか?

矢印図の公式

矢の数=さきの数÷もとの数

さきの数=もとの数×矢の数

もとの数=さきの数÷矢の数

実は、似てるどころか中身は全く同じです。
「矢の数」が「割合」だと説明しましたね?また「もとの数」は「もとにする量」と言葉も似ています。残った「さきの数」が「くらべる量」になります。

ですから…矢印図を書いて計算すれば、途中式も答えも「割合の三公式」で解いたのと同じになります。
つまり、矢印図を使える人は「割合の三公式」を覚える必要は全くありません。

もちろん「くもわ図」を使う必要も全くないでしょう!

三公式の練習

それでは、前の章で学習した「パーセント」「増し引き」も加えた割合の基本問題を解いてみましょう。

「三公式の練習」としています(解説にも三公式を書きます)が、矢印図で解いて構いません。公式を思い出せなくても構いません。正しい式を考え出せればOKです。

いつも最初に「矢印図」を書くか、イメージして下さい。

●例題5-(1)
20をもとにしたとき、6の割合はいくつですか?また、パーセントに直すといくつですか?
ヒント
「もとにしたとき」の意味が分からなくても、とりあえず「矢印図」を書いてみましょう!
図解

割合の問題なので、矢印図を書きます。

図を書いて、落ち着きましょう

問題文にある「もとにする」というのは「矢印図」でいう「矢の根元にある数(もとの数)」にするという意味でなので、矢印の根元に20が入ります。問題文で聞かれているのは割合なので「矢の上の数(矢の数)」が「?」になります。

矢印図が完成

これを見ながら?を出す式を考えます。

「矢の数」を出すので、公式を覚えていればもちろん、覚えていなくても「2×3=6の矢印図」を横に書けば「矢=先÷元」と分かります。

「2×3=6」の矢印図と並べて式を立てる

あとは6÷20を計算して0.3が答えと分かります。

0.3

そして0.3をパーセントに直すには100倍すればよいので、0.3×100=30%になります。

30%

ちなみに「割合の三公式」の場合、「割合=くらべる量÷もとにする量」から同じ計算式で同じ答えが出ます。

このように「もとにする」と書いてある場合は、「もとにする」数を矢印図の「元の数」だと考えれば良いのです。名前も似ているし、分かりますね?

●例題5-(2)
□は120の0.4にあたる。□はいくつですか?
ヒント

「あたる」の意味が分からなくても、とりあえず矢印図を書いてみましょう。

図解

最初に種明かしすると、「~にあたる」というのは「~倍」と同じ意味です。ですから「□は120の0.4にあたる」は「□は120の0.4倍」と同じ意味です。

これをいつもと同じ形に直すと「120の0.4倍は□」「120×0.4=□」になるので、矢印図も書けますね。

矢印図

□は先の数で120×0.4=48になります。

48

ちなみに「割合の三公式」の場合「くらべる量=もとにする量×割合」から同じ計算式で同じ答えが出ます。

このように、「割合の三公式」を使わなくても「矢印図」を書けば計算方法は思いつきますね。というわけでこれ以降も矢印図を使って解いていきます。

ここからは、色んな単位を使う問題です。

●例題5-(2)
90の80%はいくつですか?
ヒント

「80」%をそのまま使うと大変なことになりますよw

図解

ここまで読んできた人は、90が「元の数」で80%が「矢の数=割合」なのはなんとなく分かるので、このような矢印図は書けるでしょう。

80「%」とそのまま書いた図

では、?を出す計算式はどうなるでしょうか?80をそのままかけ算にすると…

×80にすると…

答えがずいぶん大きくなる(それだけで
オカシイわけではありませんが…)

?が7200になります…ここで「80%」の意味を思い出すと「100等分したうちの80個」ですから、元の数よりも小さくなるはず!小さくするには1よりも小さい数をかけないとダメですね(大→小のパターン)

100%未満の場合「大→小」になる

ここで80%を整数・小数に変えたのを思い出しましょう…80%=×80100=×0.8(または×45)でしたね!これを「矢の数=割合」として式を作ればOKです。

正しい処理:

80%は×0.8(または×45)にして使う

というわけで、90×0.8=72が答えになります。

答: 72

このように、%の数字はそのままではなく「整数・小数・分数」倍に直してから計算に使います。

パーセントの計算

→数値を100で割って
「×小数」や「×分数」に直してから使う。

(例)
25%→「×0.25」「×2510014

次は歩合です。

●例題5-(3)
52は□の4割である。□を求めよ
ヒント

パーセントと同じく、歩合もそのままでは計算に使えません。

図解

「□の4割は52」なので、矢印図は書けるでしょう。

矢印図

「矢の数=割合」が4割になっていますが、パーセントと同じく整数・小数・分数倍に書き換えましょう4割=×410=×0.4 を思い出して書き加えます

「4割」は「×0.4」

このあとは、逆向きの矢印を書き加えたり、となりに「236の図」を書いたりすれば、□=52÷0.4 という式が作れるでしょう。それを計算して□=130と分かります。

ここでは逆向きの矢印を加えた

答: 130

このように歩合も「小数・分数」倍に直してから計算に使います。

歩合の計算

「×小数」や「×分数」に直してから使う。
一度「%」に直すと分かりやすい

(例)
2割5分=25%→「×0.25」「×2510014
1割2分5厘=12.5%→「×0.125」「×125100018

次は「増し」「引き」の計算です。

この場合も小数や分数倍に直してから式をたてましょう。「増し」「引き」が不安な人は「増し・引き」の説明を見直して下さい。

●例題5-(4)
700の3%増しはいくつか?
ヒント

「増し」は大きくなる、これが一番大事!

図解

「増し」は大きくなります。「3%増し」はもとの数より3%大きくなって、もとの数の103%、×1.03になります。矢印図にするとこうなるので…

矢印図(筆算にも注意)

?(先の数)は700×1.03=721になります。

答: 721

小数と大きな数のかけ算のやり方に注意して下さい。小数点や0は取り除いて「7×103」を筆算したあとで戻します。詳しくは「小数の足し算引き算かけ算」内の「小数と大きな数のかけ算」を見て下さい。

ウラワザ

実は「先の数(増し・引きの結果)」を出す場合、大人はこういう面倒くさい計算をわざわざしません。こうやります。
まず700円の1%つまり1/100を7円と出しておきます。そして3%は7×3=21円なので、3%増しは700円に21円を足して721円と求めます。

小学生のみなさんも、割合になれてきたら同じ様に計算できるでしょう。

次は「引き」です。

●例題5-(5)
□を23%引きにすると308円になる。□を求めよ。
ヒント

「もとの数」より小さくなります。

図解

「23%引き」なら「もとの数(100%)より23%小さく」なるので100-23=77%、つまり×0.77になります。

一番面倒くさい種類の問題です…

「元の数」を出すので反対向きの矢印を書いて、308÷0.77を行います。ちょっと面倒くさいですが…丁寧に計算して400と分かります。

答: 400

悲報…

「元の数」を出す場合は、さっきのようなウラワザはありません。大人にとっても非常に面倒くさいです(汗)

次は歩合の増し引きです。
●例題5-(6)
152の2割5分引きはいくつか?
ヒント

歩合を%に直すと簡単になりましたね♪

図解

2割5分は25%と同じなので、2割5分引き=25%引きで、元の数の100-25=75%、×0.75と分かります。

歩合→%→小数・分数と直す

0.75=3/4と思い出せれば、計算は簡単になります。

答: 114

●例題5-(7)
□を3割6分増しにすると102になる。□を求めよ。
ヒント

歩合を%から小数にして図を書きましょう。

図解

3割6分=36%なので、3割6分増し=136%、×1.36と分かります。図を書くと「元の数」を出すと分かるので、反対向きの矢印を書いて(またはイメージして)

元の数を出す問題は面倒ですね

102÷1.36を計算して、75と求めます。これも面倒くさい計算でした。

答: 75

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