「倍数・約数・公約数・公倍数…よく分からない!」という小学生の方、もしかしたらゴチャゴチャ考えすぎかも
実は基本ルールをしっかり使いこなせばそれほど難しくはありません。そして基本ルールは10個もありません。
この記事では「(公)倍数約数」の基本ルールと使い方を東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が分かりやすくまとめました♪
記事を最後まで読んで真似すれば「(公)倍数約数」が苦手ではなくなっているでしょう!
読みたいところをクリックして下さい!
目次(クリックでジャンプ)
倍数と公倍数(小学5年生)
倍数の基礎
倍数の意味
倍数は九九のバージョンアップです。1から9に限らず、数を1倍・2倍していったものです(九九と違って9倍以上もずっと続きます)。
→➁AはBで割り切れる
算数の問題を解く時は➁の意味が重要になります。
念のため、確認テストをどうぞ
(1)7の倍数とはどういう数か?2通りで表わせ
→➀( 7を1倍・2倍…した数
)
→➁( 7で割り切れる数 )
(2)23の倍数を小さい方から3つ書け
→( 一番小さいのは23×1=23、二番目が23×2=46、三番目が23×3=69 )
(3)偶数か奇数か判定しなさい
偶数と奇数
全ての数は「偶数」か「奇数」に分けられる。
◆偶数…2の倍数である数
◇奇数… 〃 でない数
●見分け方
→ 一の位が2,4,6,8,0のどれかなら偶数
(例)「1236」→偶数
「1237」→奇数
偶数か奇数か判定しなさい
(1)119→( 一の位が9なので奇数 )
(2)80008→( 一の位が8なので偶数 )
(3)3000000→( 一の位が0なので偶数 )
問題を解きたい・詳しい説明を読みたい人は参考記事「倍数・公倍数の意味」を、もっと問題を解きたい人は下にあるオススメ教材を見て下さい。
倍数の見分け方
実際に割り算をしなくても、簡単なルールで倍数かどうかを見分けることができます。
(ある位を見るタイプ、各位の和を見るタイプ)
●2の倍数(偶数)かどうか見分ける→1の位が0,2,4,6,8のどれか
●3の倍数かどうか→各位の和が3の倍数
・(例「195」→1+9+5=15。15が3の倍数なので◎)
●4の倍数→下2ケタが「00」か4の倍数
・(例「9912」→下2ケタは「12」。12が4の倍数なので◎)
●5の倍数→1の位が0か5
●6の倍数(2段階で見分ける)
・→1の位が0,2,4,6,8のどれかで、各位の和が3の倍数
●8の倍数→下3ケタが8の倍数
●9の倍数→各位の和が9の倍数
●10の倍数→1の位が0
分数の約分で使うテクニックなので覚えておきましょう。テストで確認して下さい。
次の数が〔〕内の数の倍数になっているか「O」「X」で答えなさい
①943〔2〕→( 1の位が3なのでX )
②291〔3〕→( 2+9+1=12が3の倍数なのでO )
③217〔4〕→( 下2ケタ17が4の倍数でないのでX )
④395〔5〕→( 1の位が7なので○ )
⑤846〔6〕→( 1の位が6で、8+4+6=18が3の倍数なので○ )
くわしい説明を読みたい人は参考記事「倍数の見分け方」を見て下さい
公倍数
意味
いくつか意味があるが、最後の意味が重要。
●公倍数=2つ以上の数に共通する倍数
=2つ以上の数で割り切れる数
●最小公倍数=はじめの(一番小さい)公倍数
●公倍数は最小公倍数の倍数
求め方(書き出し法)
大きい数を2倍・3倍していって小さい数の倍数にもなったら、それが最小公倍数で、あとの公倍数は最小公倍数を1倍・2倍…していけば良い。
(例)6と10の公倍数を見つける
→10の2倍は20(6の倍数ではない)
→10の3倍は30(6の倍数である)→最小公倍数は30
→次の公倍数は60×2=120、その次は60×3=180…永遠に続く
確認テストをどうぞ
(1)3と5の最小公倍数を求めなさい
→( 5の2倍10は3の倍数では無い。5の3倍15は3の倍数でもあるので、最小公倍数は15 )
(2)3と4の公倍数はどのような数か?一言で表現しなさい
→( 3と4の最小公倍数が12なので、3と4の公倍数は12の倍数 )
(4)6でも8でも割り切れる数はどのような数か?
→( 6でも8でも割り切れる数=6と8の公倍数=6と8の最小公倍数の倍数。6と8の最小公倍数は24だから、6でも8でも割り切れる数は24の倍数 )
(3)6と9の3番目の公倍数は?
→( 6と9の最小公倍数が18なので、6と9の公倍数は18の倍数。その3番目は18×3=54 )
くわしい説明を読みたい人は参考記事「倍数/公倍数の意味と求め方」を、もっと問題を解きたい人は下にあるオススメ教材を見て下さい
倍数・公倍数の文章問題
タテ3cmヨコ4cmの長方形をすき間無く並べて正方形を作る。
(1)一番小さい正方形の一辺は何cmか?
→( 3と4の最小公倍数 )を求めれば良い
→( 4を2倍→8は3の倍数になっていない。4を3倍→12は3の倍数になっているので最小公倍数。一番小さい正方形の一辺は12cm )
(2)その時、長方形を何個使っているか?
→たて方向には( 12÷3=4 )個、よこ方向には( 12÷4=3 )個使っている
→合計では( 4×3=12 )個。
バスAは10分おきに、バスBは14分おきにバスステーションから出発します。ABとも最初のバスは午前7時に同時に発車します。
(1)ABが次に同時に出発するのは何時何分ですか?
→( ABが同時に出発するのは10と14の最小公倍数は70なので70分ごと )
→( 次に同時に出発するのは7時の70分後で7時70分=8時10分 )
(2)最初の1回を入れてABが3回目に同時に出発するのは何時何分ですか?
→( 8時10分の70分後だから8時80分=9時20分 )
もっと問題を解きたい人は下にあるオススメ教材を見て下さい
約数と公約数(小学5年生)
約数の基礎
約数の意味
約数はもとの数を割って(分解して)できる数です。
「AがBの約数」
→❶B=A×○と分解できる。
→❷AはBを割り切れる
求め方(書き出し)
無限に続く倍数と違い、約数には限りがあります。まずは書き出しで求められるようにします。
X=A×B=C×D…と分解できる時、
A,B,C,D(,E,F)はXの約数である。
実際に求めて下さい!
20の約数を全て書き出しなさい
→( 20=1×20=2×10=4×5なので 1,2,4,5,10,20 )
詳しい説明を読みたい人は「約数の基礎」を、もっと問題を解きたい人は下にあるオススメ教材を見て下さい
公約数
意味
いくつか意味があるが、最後のものが重要。
●公約数=2つ以上の数に共通する約数
=2つ以上の数を割り切れる数
●最大公約数=一番大きい公約数
●公約数は最大公約数の約数
求め方
2つの数のうち小さい方の約数を「書き出し」で求めて、大きい数の約数にもなっているのが公約数。
テストで試して下さい。
(1)12と18の公約数を求めなさい
→( 12の約数は1,2,3,4,6,12で18の約数は1,2,3,6,9,18なので、共通する約数は1,2,3,6 )
(2)12と18の公約数はどのような数か?一言で表現しなさい
→( 12と18の最大公約数が6なので、12と18の公約数は6の約数 )
もっと詳しい説明を読みたい人は参考記事「公約数の意味と求め方」を、もっと問題を解きたい人は下にあるオススメ教材を見て下さい
約数・公約数の文章問題
タテ30cmヨコ42cmの長方形の紙がある。この紙をできるだけ大きい正方形に切り分ける。正方形の一辺は何cmになるか?
→( まず30と42の最大公約数を求める )
→( 30の約数は1,30,2,15,3,10,5,6で、この中で42の約数にもなっている一番大きな数は6なので、正方形の一辺は6cm )
全部でいくつの正方形に切り分けられるか?
→( タテ方向には30÷6=5枚、横方向には42÷6=7枚、合計で5×7=35枚 )
何人かの生徒がアメを同じ個数ずつとガムを同じ個数ずつ持って集まったところ、アメは合計35個でガムは合計21 個になった。生徒の人数は一番多くて何人か?
→( 35と21の最大公約数を求めれば良い。 )
→( 21の約数は1,21,3,7で、この中で35の約数にもなっている一番大きな数は7。生徒の人数は7人 )
生徒達はアメとガムを何個ずつ持ってきたか?
→( アメは35÷7=5個ずつでガムは21÷7=3個ずつ )
小学校で学習する倍数・公倍数と約数・公約数の基本は以上です。
公倍数・公約数まとめ問題
公倍数と公約数両方のまとめ問題を解いてみましょう。
Z-1:まとめ問題
解説
18の倍数を書いていき、はじめに12の倍数になるものをみつけます。
はじめは18×1=18で12の倍数ではないのでダメです。
つぎは18×2=36で12の倍数になっています!これが答えですね。
解説
12と18の最小公倍数が36なので「12と18の公倍数」は「36の倍数」になります。
36の倍数を小さい方から3つ書くと、36,72,108ですね。
解説
12と18の約数を書き出して共通する一番大きな物を探します。
12の約数は1,2,3,4,6,12
18の約数は1,2,3,6,9,18
共通する一番おおきな数は6ですね。
解説
さっき書き出した中で共通するものが答えですね。
公約数は最大公約数6の約数になっています。
公倍数と公約数の基本は以上です。お疲れ様でした!
公倍数公約数の応用問題(中学受験)
中学受験で使うような応用問題を見たい人は、姉妹サイト「そうちゃ式新1号館」の「(公)約数(公)倍数まとめ」を見て下さい。
特に「すだれ算」は中学に行ってから使うので予習のつもりで見ておくのをオススメします。
記事はこれで終了です。
おすすめ教材
オススメ問題集
●「毎日のドリル」(学研)はスマホアプリとの連携でやる気をアップできる問題集です。(くわしい案内はこちら)。
●約数/公約数だけを応用問題まで特訓したい人には「倍数・公倍数」(サイパー算数)・「約数・公約数」(サイパー算数)がオススメ
「分かりやすい!」と評判のスタディサプリなら有名講師「尾﨑 正彦」先生による倍数・約数の授業動画もありますよ♪
今なら14日間無料♪この期間内に利用を停止すれば料金は一切かかりません。この機会に試してみては?
歴史を学習する小学生の保護者の方へ
年表,年号,地図,書き取りテストなど400枚のプリントがセットになったそうちゃ式オリジナル教材が8/25(日)までお買い得価格!興味がある方はコチラへ
2023年度生徒さん募集
2023年度の生徒さんの募集を開始しました(対面授業の一次募集)
東武野田線・伊勢崎線沿線にお住まいの新5年生で予習シリーズをベースにされている方が対象です。
詳しくはコチラのページを御覧下さい
新4年生の方を対象に学習相談/授業を実施します(2次募集はサピックス新越谷校・南浦和校の方のみ対象。締め切り1/27)。応募はコチラから
中学受験でお悩みの方へ
「中学受験と高校受験とどちらがいいの?」「塾の選び方は?」「4年次・5年次はどう勉強すればよい?」「志望校の過去問が出来ない…」など
様々なお悩みへのアドバイスをまとめたので参考にして下さい。
もしかしたら、自分だけで悩んでいると煮詰まってしまい、事態が改善できないかもしれません。講師経験20年の「そうちゃ」に相談してみませんか?対面/オンラインの学習相談を受け付けているので、ご利用下さい。