小6】分数と分数の割り算÷のやり方は?逆数のかけ算になる理由

「分数と分数の割り算のやり方が良くわからない」「逆数をかけるのはなぜ?」という小学6年生の方、お待たせしました!東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が分かりやすく教えます♪この記事を読めばスラスラ解けるようになりますよ

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分数と整数のわり算(復習)

爽茶そうちゃ

こんにちは!「そうちゃ」@zky_tutor(プロフィール)です。

「分数÷分数」の前に「分数÷整数」をちょっとだけ復習します。

小学5年生の三学期に「分数と整数のかけ算・わり算」を学習しました。復習としてまとめると、こんな感じでした。

分数÷整数の計算

分母整数をかける

分数÷整数の計算方法を図解したもの

❷計算するときは仮分数にする

❸計算途中で約分をしてもよい

分数÷整数の計算は途中で約分をしても良い

❹答えるときは帯分数にする

分母にかけ算」というのが特徴でした。だいたい思い出せたら「分数÷分数」をはじめましょう。

分数÷分数のやり方を理解

分数の割り算は○○算になります

簡単なクイズです。今、分数÷整数の割り算がありましたが、

13÷2=16

この「」を一番簡単な分数に書き換えて、さきほどの式を「分数÷整数」から「分数÷分数」に直すとどうなりますか?

以前勉強したA<=A1 を使って 2=21 と直せば分数÷分数に書き換えられます!

13÷213÷21

そして、答えは変わらず16のハズですから、

 13÷21=16

という式ができますね。この式の答えの分母の613の分子「3」と12の分母「2」のかけ算で出来ていました。

答えの分母6は3×2だった
分数÷整数の計算方法を図解したもの

分子と分母をかけていたんですね。

では答えの分子の1はどこから出てきたのか?というと…13の分子「1」と12の分母「1」のかけ算で出来ているのです。つまり…

13÷21=12=16
12の分子と分母がひっくり返っている

こういう計算をしていたのですね。

ちょっと長くなりましたが…このように分数÷分数の場合、「÷」の後ろの分数の分子と分母をひっくり返したものをかけ算すれば良いのです。

ちなみに、この「分数の分子と分母をひっくり返した数」を逆数(ぎゃくすう)と言います。

分数÷分数(小6)

分子分母をひっくり返してわり算かけ算にする

分母と分子をひっくり返した数=逆数ぎゃくすう
(例)23の逆数は32

爽茶そうちゃ

これでやり方は分かったと思いますが…

「なんで割り算がかけ算になるの?」と思う人のために説明をしてみます。

「それより問題を解きたい!」という人はジャンプして下さい。

逆数をかける理由

理由を説明する理由

突然ですが質問です!

私の20年間の講師生活で「分数の割り算がどうして逆数のかけ算になるのか?」という質問を受けたことが何回くらいあると思いますか?小学生に戻ったつもりで考えて下さい。

分数の足し算引き算って通分があって面倒くさかったですね? ですから、かけ算わり算を習う前は「あんなに大変だった足し算引き算の後に来る分数のかけ算わり算は、どんなに難しいんだろう…分からなかったらどうしよう…」とビクビクしていませんでしたか?

そんな時に先生(私)から「かけ算わり算の方が簡単だよ♪」「分子・分母同士かけるだけだよ!」「ひっくり返してかけるだけだよ!!」と説明されたとしたら…「どうして?!」なんて質問をするでしょうか?それよりも「そんな簡単でいいの?!良かった!!」と驚き・安心して、問題を解こうとしますよね?

というわけで…質問の答えに戻ると、20年間で「分数の割り算がどうして逆数のかけ算になるの?」と質問する生徒はほとんどいませんでした!!(というかゼロだと思う…)

ですから、この記事を書くための事前調査で、ネットでは「分数の割り算がどうして逆数のかけ算になるのか?」の説明があふれかえっていることには少し驚きました…がネットにあふれかえっているということは知りたい方が多いという事ですから…当ブログでも説明をしてみよう、というわけです。

説明その1

一番最初に習った分数の意味を思い出してみましょう。

12=二等分したうちの一つですから「6×12」は6を二等分したうちの一つで、「6÷2」と同じ意味ですね。

そして2=21なので「6÷2」と「6÷12」と「6×21」は全部同じ意味です。

というわけで÷12と ×21 は同じ意味になり分数の割り算は「逆数をかける」と同じと分かります。(これは、三角形の面積などで感覚的に使い慣れていますよね!)
★三角形の面積=底辺×高さ÷2=底辺✕高さ×12

説明その2

理由その1で納得してほしいのですが…純粋に計算式上で考えるとこうなります。分数BAのもう一つの意味は「B÷A」なので「10÷42」は「10÷(4÷2)」と同じ意味で、答えは「10÷(4÷2)」=>10÷2=5になるはずです。

ところで、「10÷(4÷2)」の(4÷2)の「かっこ」を外すと「10÷4×2」 と「 10÷4÷2」 のどちらになるでしょうか?答えが5になる方が正解なので 「10÷4×2」 の方ですね。
そして「10÷4×2」 を分数にすると「104×2=10×24」になり、「10×24」の10をかけ算として前に出すと「10×24」と直せます。

このようにして、分数の割り算「10÷42」を「10÷(4÷2)」→「10÷4×2」→「10×24」→「10×42」と逆数の掛け算に直せました。

全体像

10÷42=10÷(4÷2)=10÷4×2=10×24 10×42

このように割り算をかけ算に直しました

中学で10-(4-2) の「カッコ」を外すと 10-4+2 になる(マイナスを引くとプラスになる)のを学びますが、それと同様(割り算を割るとかけるになる)です

というわけで、少し話がそれましたが(汗)、分数÷分数の計算を類題で練習します。その前に…

実際の解き方と教え方

「どうしてかけ算になるのか」よりもずっと大事なのが「実際の計算を素速く正確に行う手順」です。

分数に苦手意識を持つ子が多いので「ほとんど、かけ算と同じだよ!」「簡単だよ!」と明るく楽しい雰囲気で解かせましょう。

実際、かけ算と同じ3ステップです。

手順(3ステップ)

❶準備
等号に続いて長い横線を書いて、そこに数値を移す。この時、割り算の分数は分子・分母を上下逆に移す

ステップ1-1

13÷56=5555555555

まず線を書いて…
ステップ1-2

13÷56=1 x 63 x 5

割る分数は上下逆に

*本当にはじめのうちは、分数の掛け算に書き直してから数値を移しても良いですが、慣れてきたら書き直さずに直接移しても良いでしょう。

❷約分
分母と分子で約分が出来ないか調べて、実行させる

ステップ2

x 63 x 5=1 x 21 x 5

斜めでも約分できる

❸かけ算
分母同士・分子同士をかけ算して答えを出す。

ステップ3

1 x 21 x 5=25

ここで初めてかけ算

かけ算の時と同様に、1つの作業に集中させて1ステップ終わるごとに全体感覚(「あ、今のが全体の2番目だな。あと1つだな」)を取り戻させるのが重要です

以上を頭に入れて、類題で練習しましょう。

分数の割り算を練習

もう一度解き方を確認します。

分数÷分数(小6)

分子分母をひっくり返してわり算かけ算にする

これを参考に問題を解いて下さいね。

●練問2-(1)

25÷37 を計算しなさい
ヒント

ルール通り計算すればOK

図解
解答を表示

「÷」記号の後ろの分数37の分母と分子をひっくり返して73にしてからかけ算をします。25÷3725×73

あとは分数と分数のかけ算で、分子同士分母同士をかけます。

25×732×75×31415です。1415

簡単ですね?

●練問2-(2)

421÷27 を計算しなさい
図解
解答を表示

かけ算の時と同じように途中で約分ができます。

421
÷27=421
×72=4×721×2
=2×13×1=23

答:23

●練問2-(3)

415÷423 を計算しなさい
ヒント

◯分数は●分数に直しましょう

図解
解答を表示

帯分数を仮分数に直してから、分子と分母をひっくり返して割り算かけ算に変えます。

415÷423=415÷143=415×314

あとは途中で約分しながらかけ算をして答えを出します。

4×315×14=2×15×7=235 235

●練問2-(4)

1120÷715 を計算しなさい
ヒント

答える前に…

図解
解答を表示

わり算をかけ算に直し、途中で約分しつつ、かけ算を行います。1120÷715=1120×157=11×1520×7=11×34×7=3328

答えるときは帯分数に直します3328=1528

1528

●練問2-(5)

910÷320 を計算しなさい
ヒント

答える前に注意

図解
解答を表示

910÷320=910×203=9×2010×3=3×21×1=61=6

6

分母が1なので整数で答えないとバツになります。

●練問2-(6)

6÷412÷2 を計算しなさい
ヒント

整数も◯分数に直す

図解
解答を表示

整数も、分母に1をつけて仮分数にすればよかったですね。

6÷412÷2=61÷92÷21=61×29×12=6×2×11×9×2=1×2×11×3×2=23

23

これで分数と分数のわり算も終了です。もう一度まとめます。

分数÷分数の計算

分子分母をひっくり返してわり算かけ算にする

整数と帯分数は仮分数に直して計算

123→ 53 2 → 21

計算途中で約分をしてもよい

421÷27=421×72=4×721×2=23

答えるときは帯分数に直す

これで分数÷分数の計算は大丈夫ですね!

かけ算・わり算の混合計算

爽茶そうちゃ

かけ算・わり算が混じった計算問題を解いてみましょう。

気をつけるルールは「÷のすぐ後ろをひっくり返す」だけです♪

混合計算のやり方

例題3(混合計算)

13÷12×15
図解

逆数にするのは「÷」直後の分数だけでよいので、この問題では12だけを逆数のかけ算にします。

13÷12×15=13×21×15=1×2×13×1×5=215

215

簡単ですね!

かけ算わり算の混合計算

÷の直後の分数だけを逆数にして掛け算

13÷12×15=13×21×15=

=1 x 2 x 13 x 1 x 5=215

では、練習しましょう。

問題で定着

●類題3-(1)

12÷13×125 を計算しなさい。
図解
解答を表示

わり算はかけ算に、帯分数は仮分数に直して、計算を始めます。

12÷13×125=12×13×75=1×3×72×1×52110=2110

2110

●類題3-(2)

15×47÷215 を計算しなさい。
図解
解答を表示

15×47÷215=15×47×152=1×4×155×7×21×2×31×7×167

67

●類題3-(3)

1013×4÷5 を計算しなさい。
ヒント

整数を○分数に直しましょう

図解
解答を表示

整数は分母に1をつけて仮分数に直しましょう。

1013×4÷5=1013×41÷51=1013×41×15=10×4×113×1×52×4×113×1×1813

813

●類題3-(4)

13÷57÷25 を計算しなさい。
図解
解答を表示

13÷57÷25=13×75×52=1×7×53×5×21×7×13×1×276=116

116

●類題3-(5)

711÷56×713 を計算しなさい。
図解
解答を表示

711÷56×713=711÷56×223=711×65×223=7×6×2211×5×37×2×21×5×1285=535

535

●類題3-(6)

1415÷156×137 を計算しなさい。
図解
解答を表示

1415÷156×137=1415×611×107=14×6×1015×11×72×2×21×11×1811

811

爽茶そうちゃ

もっと計算問題を解きたい人は市販の問題集を使うのも良いですね。

「分数の計算(算数基礎マスター)」は3年から6年の分数計算をカバーしているので復習にも使えてオススメです。

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爽茶そうちゃ

これで分数の計算はすべて学習しました!「分数の文章問題」
など他の記事を読みたい人は「分数の総まとめ」から見て下さい♪

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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